下肢静脈瘤の硬化療法について 4277
下肢静脈瘤の硬化療法について
2024年10月16日
こんにちは!
院長の平本です!
今日は、下肢静脈瘤の硬化療法について書いてみようと思います。
硬化療法とは、下肢静脈瘤の中でもクモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤、陰部静脈瘤といった、非常に径の細い静脈瘤に対して行う治療法です
ポリドカノールという薬剤を、細い針の付いた注射器で血管内注入し、その血管を閉塞させます
手技としてはそれほど難しくないのですが、特有の合併症の可能性が2つあります
再発と色素沈着です
再発は文字通り、再発することが結構あります
薬が上手く血管内に注入されたとしても、その血管が綺麗に消えない場合があります
SNSなどで硬化療法を案内している動画があり、瞬く間に血管が消えているシーンが写されていますが、薬を注入した瞬間は血管が消えますが、数秒後には元通りの状態に戻ります
その後から時間経過で血管と薬が反応し、徐々に目立たなくなっていくのもなので、SNSの動画は鵜呑みにしないほうがいいでしょう
この反応が上手くいくときといかない時があるので、上手くいかなかった時は血管が消えない場合があります
また、色素沈着とは、治療部位に沿って茶色い痣が付くことです
痣の程度は様々ですが、結構しっかりと残る場合があります
この痣は、血管壁と薬が反応しすぎて血液の色素成分が血管外に漏れ出すことにより生じます
この反応の度合いは事前にコントロールすることは困難で、治療をしてみないと色素沈着が出るかどうかを予想することも難しいです
この痣はやがて薄くなって消えていきますが、人によっては1~2年かかることもあります
硬化療法は非常に需要のある治療法ですが、上記のような合併症がありますので、治療を受ける際には主治医の先生の説明をしっかりと聞くようにしましょう
気になる方はご相談を!!