下肢静脈瘤のレーザー治療ってどんなの?血管内焼灼術についてメリット・デメリットを解説 endovascular-ablation

下肢静脈瘤のレーザー治療ってどんなの?血管内焼灼術についてメリット・デメリットを解説

下肢静脈瘤のレーザー治療の正式名称は「血管内焼灼術」といい、血管内焼灼術には「高周波カテーテル治療」も含まれます。 下肢静脈瘤の原因となる血液の逆流が起きている血管に対して、内側からレーザーによって焼灼することで、血管を塞ぐ治療方法です。

現在の下肢静脈瘤の治療法の中で最もスタンダードな治療法です。再発率の低さや、体への負担の少ない「低侵襲」な治療方法として評価されています。

この記事では、下肢静脈瘤のレーザー治療(血管内焼灼術)の治療内容やメリット・デメリットを他の治療法と比較しながら解説します。

目次

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤とは、足の静脈内で発生した血液の逆流により、下肢の倦怠感や浮腫、下肢の表面の静脈の血管が膨らんだりする病気です。
下肢静脈瘤は良性の病気であるので、放置することで下肢の切断や命の危険に晒されることはありませんが、血管が浮き出ることによる見た目の問題や、足の疲れやだるさ等の症状を伴い、生活に支障をきたすようになります。
下肢静脈瘤は自然に治ることはありません。症状を改善するには下肢静脈瘤治療に対応した血管外科の受診をおすすめします。

レーザー治療(血管内焼灼術)について

レーザー治療(血管内焼灼術)について

レーザー治療(血管内焼灼術)とは、静脈内にカテーテルを挿入し、内側からレーザーを照射して血管を焼いて塞ぐ方法です。
従来のストリッピング手術(伏在静脈抜去術)とは異なり、静脈瘤の原因となっている血管の摘出が必要なく、カテーテルを挿入する小さな創口のみで治療が可能です


そのため、体への負担の少ない「低侵襲」な手術で、術後の創口もほとんど目立たないため、審美的な側面でも優れているバランス性の高い治療方法です。

レーザー治療(血管内焼灼術)の流れ

1.カテーテル(細長い管)を挿入する部位に少量の局所麻酔を行います。
2.「太ももの内側」または「ふくらはぎ」からカテーテルを伏在静脈の中に挿入します。
3.挿入したカテーテルの先端から、高周波やレーザー光を発生させて血管を内部から焼き、血管全体を閉塞させます。
4.カテーテルを抜き、閉塞を確認します。
5.止血を行なった後、手術終了です。手術時間は片足につき約5~10分です。

焼いた血管は摘出しなくても良い?足の血液循環への影響は?

1.カテーテル(細長い管)を挿入する部位に少量の局所麻酔を行います。
2.「太ももの内側」または「ふくらはぎ」からカテーテルを伏在静脈の中に挿入します。
3.挿入したカテーテルの先端から、高周波やレーザー光を発生させて血管を内部から焼き、血管全体を閉塞させます。
4.カテーテルを抜き、閉塞を確認します。
5.止血を行なった後、手術終了です。手術時間は片足につき約5~10分です。

レーザー治療(血管内焼灼術)のメリット・デメリット

レーザー治療のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

  • 切開創が目立たない
  • 早期の日常生活への復帰が可能
  • 逆流による血液の溜まりがなくなり、
    足が軽くなりむくみやだるさなどの症状が改善する
  • 局所麻酔での治療が可能
  • 高い有効性
  • 身体への負担が少ない

デメリット

  • 焼灼による血管の「やけど」状態が生じ、
    治療後に「ツッパリ感」や「チクチク感」がある
  • 術後に一定期間の弾性ストッキングの着用が必要

他の治療方法との比較

下肢静脈瘤の主な治療方法には、次世代の治療方法である「グルー治療(血管内塞栓術)」や、古くからの治療方法である「ストリッピング手術」があります。

グルー治療(血管内塞栓術)

2019年12月に国内でも保険治療として認められた比較的新しい手術です。
レーザー治療と同様、カテーテルを静脈の中に挿入し、内側から医療用の接着剤(グルー)を注入して血管を塞ぎます。

グルー治療(血管内塞栓術)とは

ストリッピング手術

ストリッピング手術は従来から行われていることで多数の治療実績がありますが、現在では低侵襲なカテーテル治療が主流となっているため、施術件数は減少しています。
足を1~2cmほど切開し、「大伏在静脈」を露出した後、ストリッパーと呼ばれる長い針のような器具を挿入し、静脈を摘出します。
下肢静脈瘤の原因となる静脈を取り除くことで、症状を改善し、再発を防ぎます。

こんな症状がある方は当クリニックへ

以下、それぞれの治療方法についての比較表です。

レーザー治療 グルー治療 ストリッピング手術
麻酔の使用 局所麻酔
(麻酔量が多い)
局所麻酔
(麻酔量が少ない)
全身麻酔または腰椎麻酔
治療の創口 一箇所
(カテーテル挿入のため)
一箇所
(カテーテル挿入のため)
数カ所
(1~2cmほどの切開創)
術後の状態 軽いやけどのような状態 異物感がある 神経障害が残る可能性有
術後の痛み ややあり ほとんどなし あり
適応の範囲 広い 複雑な下肢静脈瘤やアレルギー体質の方は不向き 広い
合併症 ・血栓症
・皮下出血
・アレルギー反応(痒みや発赤など)
・神経障害
・血栓症
・皮下血腫
術後のストッキング着用 必要 不要 必要
入院の有無 日帰り手術が可能 日帰り手術が可能 入院が必要なケースがあり

どの治療が優れているというわけではなく、それぞれの治療方法にメリット・デメリット、適応の有無があります。
執刀する医師は、下肢静脈瘤のタイプや患者様の状態を判断し、最も適した治療方法を選択しなければなりません。

治療費用

レーザー治療(血管内焼灼術)は、保険診療となりますので、医療機関によって費用差はほとんどありません。 また、保険診療となりますので「高額療養費制度*」や「限度額適用認定証*」の対象となります。 また、ご加入されている医療保険によっっては、手術給付金の支払い対象になることがありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
3割負担 2割負担 1割負担
片足の場合 約35,000円 約24,000円
(上限額:18,000円)
約12,000円
(上限額:18,000円)
両足の場合 約70,000円 約48,000円
(上限額:18,000円)
約24,000円
(上限額:18,000円)

上記以外にも、その他諸費用がかかる場合があります。詳しくは、受診するクリニックのホームページをご参照下さい。

*高額療養費制度

日本国内においては、高額になった医療費が生活を圧迫しないように、医療機関や薬局での窓口で支払う医療費が1ヶ月(1日から末日まで)で上限を超えた場合に、超えた分が支給される制度です。上限額は、年齢や所得に応じて定めらています。

*限度額適用認定証

高額療養費制度では、後から払い戻しを受けられますが、一時的に自己負担しなければいけません。
医療費が高額になりそうなときは、あらかじめ限度額適用認定証を取得し、窓口で保険証と併せて提示することによって窓口でのお支払いが自己負担限度額までとなります。

上記以外にも、その他諸費用がかかる場合があります。詳しくは、受診するクリニックのホームページをご参照下さい。

まとめ

下肢静脈瘤のレーザー治療(血管内焼灼術)は、身体への負担が少ない「低侵襲」な手術であり、有効性の高い手術です。
国内での治療実績もあり、現在では下肢静脈瘤に対する基本的な治療方法の1つとなっています。
しかし、全ての下肢静脈瘤をレーザー治療(血管内焼灼術)で治せるわけでは無く、患者さまの身体の状況や下肢静脈瘤の症状によっては他の治療方法が有効的なケースもあります。 そのため、それぞれの治療方法について理解し、医師と共に患者様に合った方法を選択することが大切です。

当院では「下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医」である院長「平本 明徳」医師が全ての治療を行なっています。
現在(2023年10月)における下肢静脈瘤のすべての治療方法を当院にて対応できますので、十分な検査や診察を行った上で、患者様に対して最善な治療方法をご提供させていただきます。気になる下肢静脈瘤の症状のある方はお気軽にご相談ください。

当院の下肢静脈瘤治療の特徴

01

血管外科専門医による 下肢静脈瘤の日帰り手術

当院では、血管外科の専門医が下肢静脈瘤の手術を担当し、日帰りで実施しています。
専門医による手術により、患者さんにとって負担が少なく、安心して治療を受けていただくことができます。。
手術後はその日のうちにご帰宅いただけるため、通院の手間も最小限に抑えられます。

02

8000例以上の
治療実績

当院の院長は8000例以上の下肢静脈瘤治療を行っており、豊富な経験と実績があります。
多くの症例に対応してきた結果、さまざまな症状に対する最適な治療法を提案し、安心して治療を受けていただけます。
豊富な実績に基づき、患者様の症状に合わせた最適な治療を提供します。

03

痛みが少ない治療

治療中の痛みを最小限に抑えるため、局所麻酔を使用しています。
痛みに対する配慮を徹底しており、治療後も快適に過ごせるよう努めています。手術中の不快感を軽減し、術後の回復もスムーズに行えるよう配慮しています。

04

保険適用
下肢静脈瘤治療

当院での治療は保険適用が可能で、治療費の負担を軽減しています。
保険適用により、経済的な負担が少なく、安心して治療を受けることができます。
治療内容についてもご説明し、費用に関する不安を解消するよう努めています。

05

駅から歩いて
徒歩4分に立地

名古屋市栄駅から徒歩4分の便利な立地に位置しており、アクセスも非常に良好です。
駅近くに位置しているため、通院の際に移動の負担を軽減でき、忙しい方でも通いやすくなっております。

Contactお問い合わせ

当院では、下肢静脈瘤を専門とした日帰り外科治療を行っています。血管のお悩みをお持ちの方は、愛知県名古屋市「栄駅」から徒歩1分の「さかえ血管外科・循環器クリニック」まで、お気軽にご相談ください。

監修者

さかえ血管外科・循環器クリニック

院長 平本 明徳

大学卒業後は、関東エリアを中心として心臓血管外科医として治療経験を積み、前任地では下肢静脈瘤の治療の専門としてこれまでに8,000例以上の治療実績を持ちます。2020年にさかえ血管外科・循環器クリニックを開業し、「人生を楽しむための下肢静脈瘤治療」をテーマに下肢静脈瘤治療を中心に日帰り外科治療を行なっています。

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