手や腕の血管が浮き出るのはハンドベインという病気?原因や直し方について解説! about

手や腕の血管が浮き出るのはハンドベインという病気?原因や直し方について解説!

手の甲の血管が浮き出る・・・
手や腕の血管が目立つ・・・
手や腕の血管が青く透けて気になる・・・
手の甲の血管が増えて老けてみえる・・・

などといった手や腕の血管の見た目に関するお悩みはありませんか?
これらの症状は「ハンドベイン」といい、基本的には病気ではなく、加齢に伴って進行する「老化現象」の1つです。

痛みや浮腫などを伴うことはほとんどないですが、特に女性は「ネイルや指輪、ブレスレットで手の周りのお洒落をしても、血管が浮き出て綺麗に見えない」というような理由から、改善したいという方も多いでしょう。
ハンドベインのこれらの症状は加齢が原因のため、放置することで自然に治るということはなく、改善には治療が必要です。

この記事では、ハンドベインの原因や治療方法について解説しています。

目次

ハンドベインとは

ハンドベインとは、手や腕の血管がボコボコと浮き出たり、膨らんで目立つような状態を表す名称です。
基本的には病気ではなく、加齢に伴う「老化現象」の1種です。
そのため「ハンドベイン」は病名を表す医学的な名称ではなく、単に「手の血管」という意味を表しています。

 

血管が浮き出ることによる見た目の問題はありますが、ほとんどの場合は痛みを生じたり日常生活に支障をきたすことはなく、放置していても重い病気に発展することはありません。
また、「血管が浮き出る」という状態においては下肢静脈瘤と似ていますが、ハンドベインは下肢静脈瘤と異なり、基本的には「静脈の逆流防止弁の機能不全」などが原因となって起こる病気ではありません。
稀に、手・腕の血管の逆流防止弁の機能不全などによって静脈の拡張が起こるケースがあります。この場合は手や腕に腫れや痛みを伴います。

ハンドベインは自然に治る?自分で治せる?

血管の老化が原因となっているハンドベインは自然に治ったり、改善することは基本的にありません。
皮膚の老化が原因となる場合、ハンドクリームを用いて肌のケアをするといったセルフケアで、一時的に浮き出る血管を目立ちにくくできます。

 

いずれにせよ、ハンドベインの根本的な改善には専門の医療機関での治療を受けることが必要です。
専門の医療機関では、下肢静脈瘤に対して行う治療方法を応用して、ハンドベインの治療を行っています。

ハンドベインの原因

ハンドベインの原因

前述のとおり、ハンドベインの原因は血管の異常や血流の停滞ではなく、加齢に伴う老化現象が原因となっています。

1. 血管の老化による拡張

 

血管の周囲を構成する管状の「血管壁」は、加齢に伴って弾力性が低下し、拡張しやすくなります。
動脈も静脈も拡張していきますが、特に静脈は元々血管壁が薄いため拡張しやすく、拡張した静脈が太くなって浮き出ることで、ハンドベインの状態になります。

 

血管の老化は以下のような生活習慣によって加速されます。
・コレステロール値や糖分の高い食事
・飲酒の習慣
・喫煙
・運動不足

2. 皮膚の老化による皮膚弾力の低下

 

血管だけでなく、加齢に伴って皮膚の老化が進むことによってもハンドベインの原因となります。
肌のハリを保つために必要なコラーゲンやエラスチンの量が年齢を重ねる毎に減少し、皮膚の細胞の再生力が弱まり、表皮が薄くなっていきます。
手の静脈は表皮のすぐ下を通っているため、表皮が薄くなるにつれて静脈が露出するようになり、血管が透けたり浮き出て見えるようになります。

 

特に女性の場合、40代を超えると、コラーゲン生成を促す女性ホルモンの分泌が急激に減少し、肌のハリが失われやすくなります。
また、新陳代謝の低下による肌の老化も進みやすいと言われています。
そのため、女性は、中年を超えはじめてから急に血管が浮き出てくるなど、ハンドベインの症状を感じやすいとされています。

3. 皮下脂肪の減少

 

表皮と静脈の間は「皮下脂肪」で満たされているので、通常の状態であれば静脈が目立つことはありません。
しかし、加齢に伴う体重の減少や女性ホルモンの低下によって、皮下脂肪も減っていきます。
皮下脂肪の減少が原因で静脈が表皮に露出していくことで、浮き出て目立つようになります。

 

もともと痩せ型の人や、女性ホルモンの低下する40代以降の女性に現れやすいハンドベインの原因の1つです。

4. 遺伝

 

体質が原因で血管が拡張しやすい方もいらっしゃいます。
ご親族の方に手・腕の血管が浮き出ているなどハンドベインの症状のある場合や、またはハンドベインの治療を既に行なっている方がいる場合、注意が必要です。

5.運動やお仕事で手や腕に負担のかかる方

 

手や腕の筋肉をよく使う運動やお仕事をされる方は、手や腕の血液循環が非常に多くなるため、静脈が発達して拡張していることがあります。
そのため、手の血管が浮き出るといったハンドベインの症状が現れやすくなります。

ハンドベインの治療方法

ハンドベインの根本的な改善のためには専門の医療機関での治療が必要です。
専門の医療機関では、下肢静脈瘤に対して行う治療方法を応用して、ハンドベインの治療を行っています。

硬化療法

手や腕の細い血管が浮き出ている場合に有効な治療方法です。
「硬化剤」という血管を閉塞させる薬品を浮き出ている静脈に注射することによって、血管を閉塞させて目立たなくさせます。
硬化剤によって閉塞された静脈は、徐々に吸収され消えていきます。
ハンドベイン治療の中でも比較的手軽に行える治療方法で、従来から下肢静脈瘤の治療において硬化療法が使用されていることから多くの実績があり、安全性や有効性が高い治療方法になります。
しかし、拡張が大きい太めの血管に対しては効果が薄く、治療できるハンドベインのタイプが限られています。

血管内レーザー治療

浮き出ている血管内に極小の針によってレーザーカテーテルを挿入し、血管内へのレーザー照射で、血管を焼灼して収縮させる治療方法です。
焼灼した血管は次第に吸収され、目立たなくなります。
拡張した静脈の血管を直接焼灼することで確実に収縮させることができ、硬化療法とは異なり太い血管に対しても有効的です。

 

レーザー治療は下肢静脈瘤の治療においても一般的な治療方法であり、これをハンドベインの治療へ応用することで、高い安全性や有効性を発揮します。

しかし、曲がりくねった血管や細い血管に対しては、カテーテルの挿入の難易度が上がるため、施術者の技術力や経験が治療結果に影響します。

体外レーザー治療

血管内レーザー治療とは異なり、レーザーを体外から直接照射し、表皮から血管を焼灼して収縮する治療方法です。
一般的なハンドベインには適応とならないことが多く、一部の細かいタイプのハンドベイン(網目やクモの巣状)に対して行います。
※当院では行なっておりません。

体外レーザー治療

血管が浮き出る原因が皮下脂肪の減少の場合、減少部分にヒアルロン酸や自己脂肪を注入し、血管を埋もれさせて目立たなくさせる美容的な治療方法です。
肌のハリを取り戻せるなどといった美容的な効果もありますが、数ヶ月すると皮下脂肪が再び減少するため、定期的な注入が必要になります。
※当院では行なっておりません。

ハンドベイン治療の費用

硬化療法 片側30,000円(税込)
血管内レーザー治療 片側100,000円(税込)

ハンドベインの状態によっては、血管内治療と硬化療法を同時に施行することがあります。その場合は、片側130,000円(税込)となります。
※各術式初回施行後3カ月以内であれば、同一術式につき追加治療は無料となります。
※上記治療費以外に、初診検査料2,500円(税込)、治療が決まった場合は術前検査料3,500円(税込)、
術後の圧着着衣費用4,950円(税込)または6,050円(税込)が別途必要です。
※通院期間中は、再診料2,000円(税込)が別途必要となります。

まとめ

手や腕の血管が浮き出るハンドベインは病気ではありませんが、主な原因が加齢となるため、放置していても自然に治りません。
そのため、根本的な改善には専門的な医療機関での治療が必要になります。

しかし、現在ハンドベインの治療を行なっている医療機関は少なく、見た目に現れる症状のため、美容皮膚科等で治療を受ける方もいらっしゃるかと思います。
ハンドベインの治療方法は下肢静脈瘤の治療方法を応用しているので、下肢静脈瘤の治療を専門的に扱い、治療実績の多い医療機関を選択するのが良いでしょう。

当院でもハンドベイン治療を行っています。
当院院長は下肢静脈瘤の治療を専門とし、8,000例以上の治療実績や経験を活かし、ハンドベインの治療にも力をいれております。
十分な検査や診察を行った上で、患者様に対して最善な治療方法をご提供させていただきます。

手や腕の血管が浮き出るなどといったハンドベインの症状のある方はお気軽にご相談ください。

当院ではハンドベインの初診時治療を行っています!

遠方から当院へお越しの患者さまや、通院回数を最小限にしたいといった患者さまには、ご希望であれば初診時の同日治療を行えます。
※診察と治療は午前中となりますので、必ずお電話にて予約枠の空き状況をご確認下さい。

 

ご希望いただく場合は以下のものをご持参ください。

①直近3ヶ月以内の採血結果(必ず持参して下さい)
【必要項目】
・赤血球数(RBC)
・白血球数(WBC)
・肝機能(AST,ALT,GPT)
・血小板数(PLT)
・腎機能(BUN,Cre)
・HBS抗原
・HCV抗体
・TP抗体(梅毒定性)
②保険証
③薬手帳(お持ちの方のみ)
④必要費用(詳細はお電話にてご確認下さい)

Contactお問い合わせ

当院では、下肢静脈瘤を専門とした日帰り外科治療を行っています。血管のお悩みをお持ちの方は、愛知県名古屋市「栄駅」から徒歩1分の「さかえ血管外科・循環器クリニック」まで、お気軽にご相談ください。

監修者

さかえ血管外科・循環器クリニック

院長 平本 明徳

大学卒業後は、関東エリアを中心として心臓血管外科医として治療経験を積み、前任地では下肢静脈瘤の治療の専門としてこれまでに8,000例以上の治療実績を持ちます。2020年にさかえ血管外科・循環器クリニックを開業し、「人生を楽しむための下肢静脈瘤治療」をテーマに下肢静脈瘤治療を中心に日帰り外科治療を行なっています。

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